Zerzura
昔読んだ本の中にZerzuraという幻のオアシスの名前があった。
ウィキペディアによると、エジプトのナイル川かリビアの西奥深くの砂漠に存在すると長く噂されていた。
13世紀に何の本なのかは分からないが、当時の著者が「鳩のように白い町」とか、
「小鳥たちのオアシス」とか呼んでいたそうだ。
それはサハラ砂漠のなかにあり、眠れる王と王妃がいて、沢山の宝があり、黒い巨人たちがそれを守っていたとされる。
典型的な昔話の形だが、なにやらとても興味深く惹きつけられてしまった。
それは『The English Patient』という小説だった。
筋書きは、もうおぼろげにしか頭の中に残ってはいないが、水墨画のような灰色のぼんやりとした雰囲気を持つ小説だった。
でも、とても気に入っている。
また読んでみるつもりだ。
飛行機事故でほとんど顔も判別がつかないほどの損傷を負った男。
そして、それを介抱する女。
舞台は戦時中か終戦直後のイタリアだっただろうか。
たしか丘の上に建つ教会跡でのことだったはずだ。
そこは直近に引き揚げたドイツ兵が埋めた地雷がまだ沢山残る場所で、自由に歩くのもままならない。
そして、雨がしとしとと降って止まない。
そんななかで、ぽつりぽつりとベッドに横たわる人物の素性が明らかになっていく・・・
ここでは思っていること、感じていることを日記調に淡々とだけ書いていこう。
誰に向けてということもなく、ただただ書くだけだ。
そちらの方が性には合っているのだろう。
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